秋のRAU試

秋のRAU試

概要

「RAU試」は実験の場所です。「都市と芸術の応答体2021」のテーマ「土地と身体」へ向けて、映像を通じて継続してきた議論を、これまでとは異なる方法で展開する6日間です。
観方から映像を再考する「展示実験」、時間をかけて映像と言葉を往復する「ビューイング」、映像制作を深める「ワークショップ」、上半期を振り返る「鼎談収録」、議論と実践を深める「ゲストレクチャ&WS」を集中的に行います。

(本文すべて、実施時のメンバー向け告知より)

詳細

「展示実験」9/21(火),22(水),25(土),26(日)

これまでZoomのオンラインミーティングで各自のデバイスで観るのみであった各映像を、オンサイトの空間に展示という形式でインストールを試みます。プロジェクター、モニター、音響機材等を揃え、様々なセッティングを試す中で、映像に対する身体のあり方も考えます。

現地に集合したメンバーと事務局スタッフで、セッティングを組み換えながら展示形態を模索します。インストールの様子はZoomで現地にいないメンバーにも共有し、適宜やり取りしながら進行します。
インストール作業を通じて、9/23(木)開催の「ビューイング」で議論の起点とする映像のピックアップ、キュレーションも同時に行います。

「ビューイング」「ワークショップ」を経て、改めて展示について議論を行います。また映像制作に留まらず、「土地と身体」の関わりを広げるワークショップ的な実験をメンバー相互で実施予定です。

「ビューイング」9/23(木・祝)

ゲストアーティストの三宅唱氏とともに「私はどこにいるのか」というテーマのもと、土地と身体のつながりを映像制作を通して探究してきました。それぞれのメンバーが映像作品を撮影・編集しメンバー全体で鑑賞・議論、その議論や他者の映像に「応答する」映像を制作する…というプロセスで起こった映像/メンバー間の影響関係や展開を丁寧に共有する時間です。下半期ワークショップを担当する小説家・柴崎友香氏、三宅氏とともに、各映像が何を捉え、観ることでまた何を捉えているのか議論していきます。

「ワークショップ」9/24(金)

劇映画では通常人と人の間でおきる「演出」(三宅氏の定義では「映る人・映す人のフラットで相互的なやり取り」)を、RAU2021では人と土地の間で行ってきたと仮定します。動かないとされる土地に対しても、人が動けば関係は変わります。動きの中で変わる演者、撮影者、土地の関係を、カメラポジションの設定だけでなく身体と土地の間にある「演出」により捉えることを試みます。
下半期ワークショップテーマ「土地と身振り」へ繋がるワークショップです。
※関連して9/23(木)に三宅氏の「技の共有」を行います。

実施方法:横浜国立大学キャンパス内で実施。下記★条件を満たす形でZoomからの参加も可。
・3人一組で実施。演者(被写体)1人、監督兼カメラマン2人で。
・撮影場所は三宅さんより指定。参加者にはWS開始時に伝達。
・「演出」を通じて、映像で土地の何かを捉えられるようになる過程を体験する。

「ゲストレクチャ&WS」9/21(火)、9/22(水)、9/25(土)

映像制作とは異なるアプローチから、「土地と身体」(「私はどこにいるのか」「土地と身振り」)に関わる思考と実践を学びます。

9/21(火) 19:00-21:30 ゲスト:田村友一郎

土地とそこにある人の営みを起点に、様々なメディアを用いた作品を制作されている美術家・田村友一郎氏から、展示を通じた土地との関わりをレクチャ頂きます。
美術館からの依頼で作品制作する際、収蔵庫に連れていかれて大量の収蔵品を前に何が作れるか相談されるところから始まることは、見知らぬ土地を訪れそこにどのようにいるかを考える「土地と身振り」に近しい振る舞いなのではないか、と田村氏は語ります。
進行中の展示実験のインストールの様子へのコメントをレクチャの入口とし、様々な実践を巡りながら徒然にお話を伺います。
参考:https://www.dropbox.com

実施方法:Zoomミーティング(通常時のミーティングと同様)

9/22(水) 19:00-21:00 ゲスト:高山玲子

役者として多くの作品に参加する一方、土地からつくる役者のいない演劇作品の発表も行う美術家/俳優/体メンテナンス体操講師・高山玲子氏から、「演出」を通じた土地との関わりをレクチャ頂きます。
土地から戯曲を起こし、それを読むことで役者不在で劇が立ち上がる『ここであいましょう』『演劇の街』、場所に潜在する記憶を架空の設定と重ね合わせる『ハイツ高山』、不在を巡る『悪魔としるし』(出演)などの実践から、ディレクター・藤原を聞き手に「土地と身体」の関係を探ります。
参考:https://decoyamadecoco.wixsite.com

実施方法:Zoomミーティング(通常時のミーティングと同様)

9/25(土) 14:00-17:00 ゲスト:神村恵

身体と土地の応答的なつながりを探求するダンサー・神村恵氏から、実践の紹介とワークショップを開催頂きます。
路上にある標識や表示を観察・採集し、その意味や指示を受け止め、それに従い自発的に動かされてみるダンス公演『Street Mutters』、「小屋の設えや物の配置が身体の延長としていかに位置づけられるのか」(慶野結香)を思考するため青森県内の小屋をリサーチして生まれたダンス作品のように、各自の身体を通したダイレクトな「土地と身体」のあり方を共に試み、議論します。
参考:http://kamimuramegumi.info

14:00-14:30 レクチャ+インストラクション
14:30-15:00 一周目:まず見て歩く
15:00-16:30 二周目:身体を使う
16:30-17:00 ディスカッション

実施方法:横浜国立大学キャンパス内で実施、Zoomで中継